第2回:並びのデザイン


過去仕事備忘録編集者/

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似顔絵倶楽部でイベントに携わるようになり、似顔絵作画の待ち列で試行錯誤するようになりました。
ベストな方法は未だ見つけられていませんが、今までを振り返りまとめてみようと思います。

[条件]
描き手の似顔絵師が複数いるケース
インナーでの開催ではない (インナー開催は予約制にして人数制限しやすい)
初期投資はほぼ出来ない

フォーク式

ATMやコンビニレジでよくみられるこの形。
フォーク式を採用した某イベントでは、プロ・アマ合わせて
20名ほどの似顔絵師さんが作画する大規模なものでした。
お子様1名限定という縛りや、無料での作画、
お客様の大半がたまたま通りかかった方という事で、
(描いてもらえればラッキー、元々損はしない)
要求されるハードルの低くさが
功を奏したかたちになりました。

 

同様のフォーク式を作画有料のイベントで実施したところ、
順番がきても、「私はあっちの人に描いて欲しいから」
と、描き手を選ぶ方が続出して上手くいかなかった事があります。
フォーク式の原則として、対象がどこ(誰)になっても
大きな違いが無い事があげられます。
レジの場合、多少時間の長短はありますが、
金銭的な損得はありませんし、得られる商品は同一です。
似顔絵の場合、描き手の作風が異なる、
つまり全く異なる商品となりますので、選り好みが生じます。
フォーク式の並び方は似顔絵イベントの場合、
基本向いてない方式といえそうです。

抽選方式

大手企業様が主催する、ナゴヤドームでのイベント。
会場の賑やかしとして似顔絵を起用いただいた際は、
抽選で当ったお客様を作画する方式を取りました。
抽選方式を採用する前年は、
開場とともに並んでもらう方式でしたが、
これですと朝イチで並んでいる人にしかチャンスが無く、
遠方からバスツアーで来られるお客様には無関係の催しと
なっていました。
そこで採用された抽選方式は、

・2時間おきに抽選
・抽選時間毎の応募箱を設置(5~6個)
・作画希望者は、通し番号の付いた半券を、希望時間の応募箱に投票
・投票時間に該当の箱から、2時間で作画可能な人数分を抽選

という、形をとりました。
これは、仕組みとしてはまずまず成功を収めたのですが、
仕組みの説明・誘導・抽選など、結構なスタッフ人員を要しました。

そして何よりお客様の関心が似顔絵の方へ向きすぎてしまったのか、
翌年からは、似顔絵の起用自体が取り止めとなってしまいました。

過ぎたるは及ばざるが如し。
なかなか匙加減がむつかしいところです。

大規模イベントにおける待ち列

似顔絵イベントでは日本最大級といえる「名古屋・似顔絵楽座」。
毎年オアシス21で開催されるこの催しは、全国各地から36名の
似顔絵師が集い、2日に渡って似顔絵を描き競う競技会です。

2016年大会で10回目となる催しですが、毎年人気の似顔絵師には
長蛇の列ができます。
とあるお客様に、
「5時間待ちました」
と伺ったことがあります。
※イベントの開催時間は6時間です(^^;

待ち列に関していうと、並んでいる順番に描くという
いたってシンプルなものです。

アンケートをとると、
「ファミレスみたいな予約に出来ないのか」
といったご提案をよく聞きます。
入り口に設置されるボードですね。
空席が出来ると店員さんが、
「○名でお待ちの○○様~」
というやつです。

提案者は似顔絵師の席それぞれにそんなボードがあれば、
何時間も並んでなくても済むのに、と考えての事だと思います。
これは一見有効な感じがします。
実はそれに近い方式を1度試した事もあります。

結果は大失敗。
初日に多数のクレームが発生し、2日目は取り止めにしました。
上手くいかなかった最大の原因は、予約管理のスタッフを
似顔絵師4名に対し1人しか付けなかった事。
予算的にスタッフ数を増やすのにも限界がありますので、
致し方なかったところはありますが・・・

あと、こちらのイベントは基本的に競技会であって、
お客様への似顔絵提供は副次的な側面もあります。
一般のイベントと同一視できないところも考慮する必要があります。

結局のところ・・・

何時間だろうとお客様に並んで待ってもらうというのが、
一番シンプル、ゆえに確実な方法な気がしています。
ディズニーランドやUSJなど、
テーマパークはほぼこの方式です。
(ファストパスなど、ちょっとした変化球はありますが)

要は実際の待ち時間の短縮というより、
いかに体感時間を短く出来るか、
待った甲斐があったと思わせるものを提供出来るか、
これに尽きるかと思います。

公開日/2016年01月07日



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