03 BLUE GIANT


脇道堂書店 〜わたしの一冊〜編集者/柏子見

脇道堂書店_横長タイトル

今年の春にオフサイドに入社し、社会人となったばかりのデザイナー・久松 愛です。
ついこの前までは大学生でした。

物心ついた頃から「好きな事で仕事がしていきたい」と生きてきた自分と、
進路を決める分岐点に立ち「そんなに甘いものじゃないのではないか」とストップをかけようとする自分が
突然衝突を始め、自分VS自分となり悩んでいた時期がありました。

そんな時に出会ったのが、この作品です。

BLUE GIANT/石塚真一

仙台の高校生、バスケ部だった 宮本大 がジャズに心打たれ
世界一のジャズプレイヤーを目指して奮起するというストーリー。

以前、石塚先生の「岳」という作品を読んでいたことと、
表紙の装丁に惹かれたということで、読み始めたが最後。止まらない…
気がつくと自宅の本棚に全巻揃っていました。

読んでいると、みぞおちのあたりから熱いものが込み上げ、
それがそのまま鼻筋を抜け、気がつくと涙が溢れていました。

私が単に単純なだけなのでしょうか、
いったい何に悩んでいたんだと思いました。
やると決めて、決めたことを精一杯やろう
そう後押しされたことが印象に残っています。

音楽漫画としてのストーリーや主要人物たちはもちろんなのですが、
この作品、好きだなあと思うところが大きくふたつあります。

一つは名脇役たちです。
脇役ではあるのですが、みな主人公なのではないかなと思うほど、
魅力的でかっこいい人物ばかりが出てきます。
ジャズを聴きに来た一度きりの登場の豆腐屋のご主人までもがかっこいい。
そして大の相棒であるテナーサックスと出会うエピソードもまた良いのです。
(生みの親、石塚先生はどんな方なのでしょう…
「岳」の山で生きる人たちとは全く別の世界。一度話を聞いてみたいです。)

もう一つは、この作品から聴こえてくる「音」です。
BLUE GIANTを読了した方から決まって聞く感想なのですが、私も例に漏れず そう感じました。
きっと音声のついた映像でも、活字のみの小説でも表現しきれない「音」なのだろうなと石塚先生の表現力に圧倒されています。

いろいろな発見と、勇気と、衝撃を私に与えてくれた作品でした。
大のように「今の自分にできることを信じて、とことんやる。」
デザイナーとしても、そのように仕事と向き合っていきたいです。

2017.7.12
久松 愛

公開日/2017年07月11日



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